踊ってばかりの国 -2010/3/31- @渋谷eggman

《踊ってばかりの国prezents「おっぱいガールフレンド」ツアー》
2010/3/31 ACT:踊ってばかりの国、黒猫チェルシー、キノコホテル、ラキタ @渋谷eggman

ヤバすぎた。メンバー全員の技術レベルの高さには当然。ボーカル下津の圧倒的な存在感、ゆらゆらと揺れ踊りながら辛辣なことを歌う様。垣間見せる狂気の宿った表情。叫ぶように歌う瞬間の破壊力。全てが凄まじかった。完全に圧倒された。

【ラキタ】

道に迷い、少々遅れて到着し、ドアを開けるとラキタ君が一人でエレキギターを爪弾き歌っていた。その音はどことなくArcaid Fireを思い起こさせる、リバーブやディレイを用いたサウンドを一人で作り出し歌い上げていた。そこには父の面影は無く、一人のSSWとして着実に力を付けつつあることを感じさせてくれた。しかし、まだガキっぽいぜ、音楽の趣向が。

 

【キノコホテル】

女性四人組のバンド。音源はほとんど聴いたこと無し。もちろん初見。

全体的に女性バンド特有のルーズさを感じさせる演奏だったが、そのルーズさが音の世界観とマッチしていて、なかなか面白い音だった。ギターは下手だね。ベースはまずまず上手かった。ボーカルのキャラは嫌いじゃない。

あの手の音、あの技術レベルで世に出ようとしたら、やっぱりああいう工夫は必要だよな。
って思った。でも結構良かったです。

 

【黒猫チェルシー】

これまた初見、音源も未聴のバンド黒猫チェルシー。神戸のバンド特有のハード・コアを通過した轟音サウンドがかっこよかった。メンバー全員若いのに本当に上手いなぁと感心。

勢いはあるけど、もうちょいメリハリを付けられればより良くなると思う。ボーカルを始め、スター性を感じさせるバンドなので頑張ってほしいし、応援していこうと思う。

来月出るという新曲は、おもっきしRED HOT CHILI PEPPERSを想起させる轟音ファンクロック。新譜が楽しみです。

 

【踊ってばかりの国】

本文冒頭にも書かせてもらった通り、凄まじかった。近年、これ以上の狂気を感じさせるバンドは見たことが無い。そして圧倒的な演奏を前に、楽しむよりもむしろ複雑に混濁した思いと涙が湧き出てきたライブは初めてだ。

そこにあるのは圧倒的なリアリティ。緑の汽車を目の前にし、死を眼前に見つめ続け、常に何かに脅かされている恐怖感。命が絶たれることを芯から願うかのような狂気と、それをゆったりとしたポジティブさを感じさせるサウンドに乗せて歌う異常さを前に、ただひたすら目の前の光景に釘付けになった。

“ハロー”で幕を開けたこの夜のライブ。下津は一曲目から早々にアコースティックギターの三弦を弾き飛ばす。しかしそんなことを気に留めることなく、下津は一夜のステージ、そのギターを掻き鳴らし続ける。

両サイドに手練のギタリスト。新加入のベースも演奏力の高さを見せつけ、ドラムは手数を抑えながらしっかりと屋台骨を支える。そしてボーカル下津光史の存在感とカリスマ性。下津が時折見せる、首筋をを掻き切るジェスチャーや、リストカットの仕草、はたまた踊るようにギターを抱え掻き鳴らす姿に言い知れぬ恍惚を覚える。本物の伝説となりうる、バンドとしての完成度とオリジナリティを持った新世代を前にして、感動という言葉を通り越した何かを感じさせられる日だった。

今回は新作『グッバイ、ガールフレンド』からの楽曲が大半を占めていた。“バケツの中でも”や“よだれの歌”、合間に一曲ファンキーなパーティーチューンたる新曲も鳴らしてくれた。本編ラストは“ムカデは死んでも毒を吐く”。下津が舞台を後にしてからも残された四人は音を鳴り響かせ続ける。そのサイケデリックな世界はボアダムズのそれにも近しいほどの力強さと神秘性を感じさせるものだった。そして、それらの楽曲の後にアンコールで歌われた“死ぬな!”の力強さと説得力を忘れることは出来ない。

本当に素晴らしいライブだった。素晴らしいという言葉は正直そぐわないような気さえするほど、この日のライブは圧倒的な破壊力に満ちていた。

そして、聴き手としてではなく、一人の人間として思う。彼らが消えていなくなる前に、彼らのライブは絶対に観るべきだ。彼らの一挙手一投足を見逃してはいけない気がする。

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