『魅力がすごいよ』ゲスの極み乙女。

勢い著しい、ゲスの極み乙女。の1stフルアルバム『魅力がすごいよ』。

率直に申し上げて、めちゃくちゃ良いですね。終始全体のバランス感が非常に良い。軽やかでキャッチーなメロディライン。それを補完するメリハリの効いたアレンジが心地良い。

ベースの安定感や、アクセントの効いたキーボードもさることながら、殊、細かく刻まれる手数多いドラムの功績は見逃せない。アタック音が弱く、あまり目立つ印象は無いものの、各音に併せたドラミングがそれらを惹き立て、音のコントラストを強める役割を果たしている。ある種、特筆した個性とは言い難いものの、サウンド全体を引き締める上でとても上手く機能しているように感じられる。

アルバム全体通して、ゲスの極み乙女。らしいスピード感のある、爽快さと毒気を孕んだサウンドが展開される。“ラスカ”から“bye-bye 999”まで、始終テンションを落とすこと無く駆け抜ける四十分弱の体験。

どこか晴れない心と、それを客観的に眺める様。シニカルさと、その裏にある葛藤を感じさせる歌詞。その最たるものとも言える“デジタルモグラ”。同時にそれらを払い飛ばそうとする“Crying March”や“光を忘れた”といった高速ビートや、“星降る夜に花束を”“サリーマリー”におけるメリハリの効いた演奏が、決して鬱屈した自己陶酔的なサウンドではなく、彼ららしいポップさを持って表出しているが故、バンドとしての力強さをより一層感じさせてくれる。とても良い作品。


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『魅力がすごいよ』ゲスの極み乙女。
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5

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