『Musical』クラムボン

良い!今まで一番良い。彼らの最高傑作といっても過言ではないんじゃないだろうか。

多彩な楽曲で構成されながらも、一本芯の通った音の質が全体を一枚の作品として纏め上げられている。ピアノの高音域の抜けを抑え、全体的に柔らかく温かい印象に仕上がっている。

そして、最近の作品でみられていた実験性が本作で結実したかのように、従来のクラムボンの持つポップさと見事に解け合っている。それでいて、全体のイメージは明るいものの、あからさまにポジティブではなくネガティブさも適度に併せ持った空気感があるため、馴染みやすい質感が感じられる。

不可思議なリズムの魔法と原田郁子の歌声、ディストーションベースが見事に絡み合った、ちょっとメランコリックなポップソングM-1“Merry Go Round!”で幕開け。続く“Carnival”では変則的なドラミングの上で、波打つようなメロディラインと見事に纏め上げる。

スタッカートの付いた鍵盤の音にあわせて、跳ねるようなポップソング“Good Time Music”。どこか、幻想の国に飛びこんだような、ちょっとファニーでキュートな楽曲“sweet swinging”。ミトさんがボーカルをとる、ハウス“Bass, Bass, Bass”。クラムボンらしい心地良いメロディとシンプルなサウンドが絡むミディアムテンポの“Epilogue”と。とにかく各曲のクオリティの高さと心に響くメロディが素晴らしい。

特に、“あい の ひびき”の美しいメロディライン。そして、そこからラストまで続く一連のメランコリックな流れがたまらなく素晴らしい。曲名の通り12分に及ぶ長尺曲、M-9“Lomg Song”の神秘性を孕んだリバーブサウンドの美しさ。
子守唄のように心地良く響く“tayu-tau”。鎮魂歌のような悲しさをも持ちながら同時に安心させられるような穏やかな曲“Dear Gould”。

ということで、とにかく良い。僕はこのアルバムを聴くと、心の奥底で凝り固まった何かが解けていくような気持ちがする。それでいて、平穏と安心を与えてくれるような、そんな感じ。

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『Musical』クラムボン
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