『Everyday Robots』Damon Albarn

Blurデーモン・アルバーンのソロアルバム。一作通してミニマルな作りであり、とても穏やかな作品。しかし陰鬱になるわけではなく、「自叙伝的な意味合いがある」とデーモン自身も語るとおり、どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせる。

ブラーで見せるキャッチーなメロディラインは健在ながら、ピアノの音色や打ち込みのバスドラム、パーカッションやホーンなど、音数は絞りつつ広がりのあるサウンドを見せてくれる。色合い自体は作品を通じて多彩とは言えないものの、決して退屈で退廃的な楽曲にはなっていない。

こと、Bat For Lashesのナターシャ・カーンをコーラスに招いたM-6.“The Selfish Giant”は、愛する人が去っていく不安を抱えながらも、どこかそこに安堵を感じるかのような輝きを垣間見ることができる。

また、本作のクライマックスとなるM-12.“Heavy Seas Of Love”では、世界に無数広がる愛の終わり方、そして愛の始まりをも想像させるような、決してオプティミスティックにはならない、けれど前向きなその姿を感じられるような楽曲になっている。

そんな、どことなく愛する人と共に過ごす幸福感を忘れない中で、不安感を拭えずにいることで、逆にどこか平穏な心持ちになるような、不可思議な感覚が心地良く響く。


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